シンポジウム あいさつ
シンポジウム1

【再結晶化HAの骨伝導能を検証する】

  モデレーター:外務省歯科診療所 所長 堤 義親 

 『AQBインプラントはよくつく』、『AQBインプラントは骨をよんでくる』など、AQBインプラントを一度でも植立した先生ならば感じられているのではないでしょうか?
 そんな印象をもっと具現化していただくためにこのシンポジウムを企画しました。
 再結晶化HAの優れた骨伝導能を臨床で意識できるのは、咬合負荷開始までの期間が、下顎で1.5ヶ月、上顎で2ヶ月前後と他のインプラントシステムに比べて短いこと、上顎洞底粘膜挙上術において骨移植や人工骨移植を行わなくても4か月前後で骨が再生してこること、この2点でではないかと思われます。

 そこで、これまでこのような趣旨の発表をされて来られた先生方からシンポジストを選出しました。
 はじめに、佐野次男先生に臨床の立場から基調講演を行っていただきます。
 坂本泰宏先生には、骨移植を行わないスプリットクレフト法およびソケットリフト法について臨床検討を加えていただきます。
 岸本先生には抜歯即時インプラントでの低侵襲手術での臨床的検討を行っていただきます。
 米沢武先生には上顎全顎症例での即時加重の臨床評価と津山分類によるソケットリフト法の臨床評価をお願いしております。

 本シンポジウムから、再結晶化HAの骨伝導能を理解していただき、この特性をいかすための留意点、骨が再生してくるための条件などがより具体的なものになればと考えております。
 総合討論の時間も20分予定しておりますので、参加された先生方の活発な討議を期待していただき、当シンポジウムの挨拶といたします。

シンポジウム 2

「有病者とインプラント」

  モデレーター:西條英人、小笠原健文

 近年、インプラント治療の予知性が向上したことにより、補綴方法の一つとして確立しており、そのニーズは高まっています。
 しかし、その一方で、高齢化社会を迎えるにつれて、インプラント適応の患者の中には、糖尿病や心疾患を有する、いわゆる有病者であることが多くなると予測されます。
 こうした本邦の社会構造の変化は避けることが出来ないため、今後は医療者側が対応していくしか方法はありせん。
 従いまして、インプラント治療を行うにあたり、患者の口腔内の状態ばかりでなく、全身的な把握も不可欠となります。

 今回は、有病者に対するインプラント治療に関しての基調講演をモデレーターの小笠原健文が行います。
 その後に、糖尿病患者に関するインプラント治療に関して佐々木脩浩先生にお話頂き、矢郷香先生には、抗凝固薬服用患者のインプラント治療、およびビスフォスフォネート製剤服用患者のインプラント治療に関して、最近の知見をお話頂く予定です。
 さらに、藤原広先生には、歯科麻酔科医の立場より開業医でも対応出来る静脈内鎮静法についてお話頂く予定としています。

 会員の先生方の知識の整理の助けになればと企画したシンポジウムですので、活発な討論をして頂き、有意義な時間を過ごせればと願っております。

シンポジウム 3

『インプラント周囲炎の現状』

  モデレーター:黒山祐士郎

 臨床において、経過良好の症例ばかりではなく、インプラント周囲炎によるインプラント体の動揺や脱落などのトラブル症例が存在することは否めない。
 可能な限りにインプラント周囲炎に陥らないように留意していたにも関わらず、骨吸収の進行を阻止できず、撤去に至る症例もある。
 インプラント周囲炎の進行を予防・阻止するには、その臨床的徴候とメカニズムの解明が求められる。

 このシンポジウムでは、4名のシンポジストの先生方に、日常使用されているチタン製・HAコーティング製など様々なインプラントに認められたインプラント周囲炎への対応を中心にお話して頂く。
 再結晶化HAに限らず、様々なインプラントに起こるインプラント周囲炎との比較から、HAコーティングインプラントの利点・欠点をあらためて考察し、インプラント周囲炎に陥る徴候を見つけ、その対応策を検討できる場になればと考えている。

シンポジウム 4

超長期症例から学ぶこと

  モデレーター:杵渕孝雄

 一般に10 年を超えれば長期症例といえるでしょうが、超長期症例となると15 年以上という感じでしょう。
 そのくらいAQB を昔から手がけている、または症例の管理をしている先生方に集まってもらい、いろいろ示唆に富む話をしてもらおうというシンポジウムです。
 となると、25 年ものの症例を持っている私も、基調講演というかシンポジストの一人として喋らざるを得ないかなと思います。
 また、三井記念病院長期症例ということで長谷川義道先生と、三井記念病院元科長の宮澤利明先生にシンポジストをお願いしました。
 三井記念病院で生まれたインプラントなので、どうしても三井系になってしまいますが、もう一人外部から、発売当初からのユーザーで指導医の西村耕三先生をシンポジストに迎えました。

 古くからAQB をやられている先生なら、「超長期症例から学ぶこと」というテーマで、いろいろ思い当たるところがあると思います。
 超長期症例というテーマですが、必ずしも経過良好の症例ばかりではなく、超長期にみている患者さんで、経過の途中にいろいろ問題が生じ、それを工夫してリカバリーしたというような示唆に富む症例もあると思います。
 まだインプラント歴の浅い先生には、昔からインプラントをやられている先生は参考になりそうな症例を沢山お持ちと思いますので、有用な話しが期待できます。
 まさに諺にいう「温故知新」ですので、しっかり臨床疑似体験して頂きたいと思います。

 杵渕孝雄モデレーターでは、全ての症例を1本単位でExcelで管理していますので、該当する症例に関する基礎統計結果をみてもらいます。
 また、少数歯欠損症例、多数歯欠損症例、年月と共に徐々に骨吸収が生じてきていても何とか安定して残存している症例など、さまざまな臨床例の供覧を予定しています。
 
 西村耕三シンポジストはAQB発売当初からのユーザーで、それ以前のバイオセラムやブレードの経験も持ち、1ピースAQB以外に2ピース、アストラ、京セラ、μ-Oneなども併用しています。
 今回は問題の起きやすい硬い骨に対する対処法について詳しい話が聴けそうです。

 宮澤利明シンポジストは失敗につながるごく初期段階での本質的な原因を、1)咬合 2)歯周病 3)インプラント体のポテンシャル 4)健康状態および体質(免疫力)に大別し、歯科医師がコントロール可能な1) 2)以外に、歯科医師がコントロールできない3) 4)の要素についての話しが聞けそうです。

 長谷川義道シンポジストは三井記念病院記念病院での1988年11月~2013年3月までの25年間に植立した1378名、3158本のうち、15年以上の超長期症例として、1988年11月~1998年7月までに植立し、追跡できた症例について、調査検討した結果を報告してもらえるようです。
 またその結果から、長期良好な経過を得るための重要なさまざまな要因を、術者サイドと患者サイドに分けて検討してもらえるようです。